文法

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書いて気づく英語の力:ワークシートが生んだ小さな発見

This is / These are のワークで広がった「英語の気づき」と学び合う力今回、小学生中高学年を中心に、「This is / These are」のワークシートを写メで送ったところ、思いがけず短時間で多くの生徒が次々と作品を送ってくれました。さらに面白かったのは、提出方法が生徒によってまったく違っていたこと。プリントアウトして書く子、スマホで編集する子、自分で紙と絵を用意する子…“デジタルとの距離感”やご家庭のカラーがそのまま表れていて、見ていてとても興味深いものでした。そして何より、作品を見合いながら学び合う空気が自然に生まれ、いつもとは違う形で子どもたちの英語の「気づき」が深まっていきました。そんな学びの時間を、保護者の方々のコメントとともに紹介します。提出スタイルは5パターン!写メをダウンロード → プリントアウトして手書きするタイプ写メの上にスマホの手書きツールで書くタイプ写メの上にテキスト入力+図まで入れてくるタイプ自分で紙を用意して、文だけ書いて提出するタイプ自分で紙を用意し、絵まで写して描き込むタイプデジタルとの距離感が本当に人それぞれで、見ていて面白かったで...
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中高生の英語が変わる「比較級・最上級105語形容詞カード」

英語を教えていると、比較級・最上級がうまく使いこなせない生徒にたくさん出会います。more / er の区別が曖昧不規則変化が覚えられない単語は知っていても、文にすると手が止まる作文で比較表現が使えない中学〜高校にかけて、比較級・最上級は「できる子・苦手な子の差が一気に開く単元」です。そこで今回、中高生が負担なく、視覚的に理解できるように作ったのが比較級・最上級の形容詞カードセットです。「見るだけで理解できる」ことに徹底的にこだわりました英語が苦手な子でも「この形になるんだ」とひと目でわかるようにデザインしています。原級 → 比較級 → 最上級を一枚で完結すべて同じフォーマットで統一er型、more型、不規則を自然に見分けられる色・配置・行間すべて中高生向けに最適化「説明を読む」のではなく「見て理解する」教材になっています。「実際に使う語だけ」徹底的に厳選中学生・高校生が文章で出会う語を中心に選びました。ムダな語は1つもありません。基礎語:big / long / easy / difficult感情語:happy / sad / tired / angry授業で必要:importan...
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高校生は中学英語をどれくらい身につけているのか?

この本は、日本の英語教育で「高校生は中学英語をどれくらい身につけているのか」というテーマに真正面から向き合っています。「中学英語ができるレベル」というのは、実はこの定義はかなり深いです。アルクでは、27大学、3年間分の入試問題4000題を実際に解いてみて、中学英語だけでどれくらい太刀打ちできるのかを調べています。(ただし未知語がないという条件での検証です)すると、なんと79パーセントの問題が解けたそうです。中学英語を本当に使いこなせるレベルまで定着させれば、ここまでできるということに驚きますよね。著者たちは、多くの高校生が3年間学んだ中学英語を十分に定着させられていない現実を指摘し、「教えたつもり」と「身についた状態」はまったく別物だと語ります。なぜ中学英語が身につかないのか、そもそも定着とはどういう状態なのか、学校ではどう評価されてきたのか。そういった背景がとても丁寧に解説されています。また、中学英語の定着度を示すようなデータが本当に存在するのかを探し、自分たちで調査を行った過程についても触れられています。中学英語が使えるレベルまで身についていないと、高校以降の学習が一気に難しくなる...
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なぜ真面目に学んでいるのに、語順が身につかないのか

語順という感覚「語順が感じられない子」は努力不足ではない真面目で、宿題もやり、多読もしている。それでも語順が“ピンとこない”のは、英語の入力(input)を「意味のかたまり」として処理できていないからです。→ つまり、彼らの脳内ではsay / to / your / mom / helloのように「単語の羅列」として処理されており、 のような「chunk単位」での処理が起きていません。「a」「the」が抜けるのは“チャンク処理ができていない”証拠a sunny day → sunny dayのように冠詞を落とすのは、その学習者の脳が「a sunny day」というひとかたまりをまだ認識していないためです。心理言語学的には、これは「formulaic sequence(定型句)」が形成されていない状態。母語話者は “a sunny day” を一語のように処理していますが、学習者は “a / sunny / day” と3つの単語として処理している。その結果、無意識に “a” を捨ててしまうんです。これは冠詞の理解ではなく、視覚・音の処理の単位の違いです。「on a sunny day ...
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英語の語順(word order)を「感じられない子」へ

「視覚的チャンク認識」というアプローチ毎月10万語の多読をしても、音読を何百回しても、「say to your mom hello」と言ってしまう子がいます。文法はわかっているのに、感覚で語順をつかめない。それは才能の問題ではなく、脳の情報処理のタイプの違いです。そのような子にこそ必要なのが、視覚的チャンク認識(Visual Chunk Recognition)という考え方です。視覚的チャンク認識とは視覚的チャンク認識とは、英語を単語の並びではなく、「意味のかたまり(チャンク)」として視覚的にとらえる力のことです。たとえば:say hello to your mom自然に英語を読む人の頭の中では、 というふうに2つのチャンクで処理されています。でも、語順が苦手な子には、say / to / your / mom / helloのように、単語がバラバラに見えています。視覚的チャンク認識とは、この「どこで区切るか」を目で見て理解できるようにする力です。なぜ苦手な子がいるのか文法中心・分析型の学習に慣れている音韻ワーキングメモリが弱く、語順を保持できない意味理解に注意が向きすぎて、形を意識で...
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英語の文法を「使える」形で定着させるレッスン

英語の文法を「使える」形で定着させるワークシートを作りました🩵 Step 1:単語(語彙インプット)目的:文を読む準備を整える。活動例:「sweep」「wipe」「fold」などの動詞カードやジェスチャー練習“Show me: sweep the floor!” のように体で覚える音・意味・動作が結びつくので、文法に入ったときの理解が速くなります。🩷 Step 2:精読(構造インプット)目的:文の構造・意味・語順を意識して理解する。活動例:“I sweep the floor.” を語区切りで読む(精読プリントの活用)文法の「型」(S+V+O)を色分け・指差しなどで確認「意味のかたまり」をつかむ感覚が育ちます。My Chore1の音読はこちら(音読さんより)My Chore2の音声はこちら(音読さんより)会話文なので、この音源のように無味乾燥にならないようにしましょう(笑)💛 Step 3:音読(自動化)目的:構造を体で覚え、瞬時に再現できるようにする。活動例:リピート音読 → ペア音読 → リズム音読(チャンツ風)“I sweep the floor / I wipe the tab...
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文法は「形」だけじゃない!——どうすれば使える知識になるのか?

多くの生徒を見てきて感じるのは、「文法を理解できない子は一定数いる」ということです。また「理解はできるけれど、いざ使うときに使えない」という子も少なくありません。しかも、それは難しい文法ではありません。中学1年生で学ぶごく基本的な文法でつまずいているケースが目立つのです。たとえば——be動詞と一般動詞を同時に使ってしまう否定文や疑問文のときに、どちらを使えばいいか分からなくなるこうした「基礎のつまずき」が、その後の英語学習に大きな影響を与えていきます。文法は「形」だけではないなぜ、こんなにシンプルな文法でも正しく使えない子が多いのでしょうか。それは、文法を「形のルール」とだけ捉えてしまっているからです。応用言語学者のMarianne Celce-MurciaとDiane Larsen-Freemanは、文法を次の3つの側面で捉えることを提唱しています。Form(形)… 文法のルールそのもの。Meaning(意味)… その文が伝えている内容。Use(使用)… 実際の文脈でどう使われるか。この3つがそろって初めて、文法は「使える知識」になります。文法は Form・Meaning・Use の...
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【「as 形容詞 as」「as 副詞 as」と丸暗記してないですか?】

「as 形容詞 as」「as 副詞 as」と丸暗記してない?英語を教えていると、中学生がよく 「原級比較=as 形容詞 as」や「as 副詞 as」」 と丸暗記しているのを見かけます。でも、この覚え方は便利な反面、実際の使い方に弱く、文が長くなると途端に混乱してしまうんです。今回は「as〜as」の仕組みと正しい理解の仕方、そしてよくある誤解を例文と一緒に整理してみます。as〜as の正体は?まず大事なのは、最初と最後の as の品詞が違うということ。最初の as → 副詞(so, very と同じ働き。「とても〜」の意味を加える)最後の as → 接続詞(文と文をくっつける役割)つまり本来はこういう仕組みです。例文で分解してみるShe is good at soccer.(彼女はサッカーが得意です)1. 強調してみるShe is so good at soccer.2. as で文をつなぐShe is so good at soccer as I am good at soccer.3. 同じ部分を省略She is so good at soccer as I am.4. so を a...
YL0.1-0.5

ややこしい語順を楽しく理解する英語まんがを出版しました!

だんだん文が長くなる英語まんが入門小学生や中学1年生を見ていると、英語の文が長くなったときに、語順がごちゃごちゃになってしまう子が多いと感じます。「単語は知っているのに、どう並べればいいかわからない」「短い文は読めても、少し長くなると意味がつかめない」そんな経験をしたことがある子も多いのではないでしょうか。実際、英検5級や中1レベルでつまずく原因のひとつは、この語順と文の構造があいまいなまま進んでしまうことにあります。語順が分からないと、読むのも書くのも難しく感じてしまい、結果的に英語への苦手意識が強くなってしまうのです。本を作った理由私は普段から子どもたちに英語を教える中で、文をどうやって長くすればいいのか分からなくなって並び替え問題を作ってしまうような子😅が多少なりともいるなと感じていました。そこで、少しでもわかりやすく、楽しく語順を身につけられるようにと考えて作ったのが、今回の本です。【英検5級&中1対応】だんだん文が長くなる英語まんが入門英語初心者・小学生も安心!イラストで英文法と語順のしくみが自然にわかる【解説つき】だんだん長くなる文の例本の中では、このように「短い文に少しず...
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「知ることが出来る」は「I can know many things.?」

「I can know」は正しい?学習者が迷いやすい英語表現よく見る生徒の英作文こんな文を書いたことはありませんか?I can know a lot of things such as math, science, and English.一見正しそうですが、実は不自然に聞こえます。なぜ不自然?ポイントはknow という動詞の性質にあります。know は「すでに知っている状態」を表す 状態動詞can は「できる/能力がある」を表す助動詞 「知ることができる」という表現はふつう英語では言わないのです。例:⭕️ I know English.(私は英語を知っている)❌ I can know English.(私は英語を知ることができる)→ 不自然正しい言い方多くの場合、学習者が言いたいのは「学ぶことができる」や「習得できる」という意味です。このときは learn を使います。I can learn a lot of things such as math, science, and English. (数学や理科、英語など、いろんなことを学ぶことができます)「I can know」が使える...