
文法が定着しない子どもたちへ ― 問題は「理解力」ではなく「学ぶ姿勢」
文法が微妙文法が苦手な生徒は、昔から今も、そしてきっとこれからも存在します。興味深いのは、そうした生徒の多くが「真面目で、英語が得意」と思われていることです。リスニングや語彙力が高く、テストでもある程度の点数が取れてしまう。英語を話すこともできる。だから周囲からは「英語ができる子」と見なされがちです。けれど、いざ文章を書かせたり、英語で話してもらうと、文法力の弱さがあらわになります。そして「超」高得点にはなかなか届かない。細かいミスを自覚しないまま、少しずつ失点しているからです。私はこの現象に長年悩んできました。「多読のせいなのか?」と考えたこともありますが、それは違いました。外部から来た塾通いの生徒たちも同様に、文法が崩れている。むしろ、多読をしていない生徒の方がさらに厳しい状況でした。そしてようやく得た結論があります。それは——「流してしまう意識」が原因だったのです。「文法は後回し」という癖英語が得意と自他共に思っているけど、実は文法が苦手な生徒の多くには、「文法を後回しにする」癖がついています。それでもある程度点が取れるため、間違ったまま定着してしまうのです。そして多くの場合、彼...