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「Kenは何歳?」から広がった授業とジム・カミンズの理論

授業中のやりとり先日の授業で、ある長文にこんな文が出てきました。Ken watches TV.He sees a program about animals.He learns that penguins cannot fly but can swim very well.そこで私は生徒に質問しました。「このKenって何歳?」生徒たちは「小学生?」「10歳くらい?」と答えます。理由を聞くと、前の文に「サッカーをしていたけど雨だと本を読む」という描写があり、そこから「10歳ぐらい?」と推測したのだそうです。そこで私は問い返しました。「え、じゃあみんなはペンギンが飛べないって知ったのは10歳とか12歳なの?」すると生徒たちは「そんなわけないじゃん!」という反応をし、そのあとは、「じゃあ4歳?5歳?」「でもサッカーするんでしょ?」と議論が始まり、結局「5〜6歳くらいかな?」という結論にたどり着きました。「なんで5歳?」ところがその後、一人の子が改めてこう聞いてきました。「なんで5歳?10歳じゃダメなの?」この子は、「ペンギンの知識(3歳くらいで知っている)+サッカーができる年齢(小学生くらい...
YL1(1.0-1.9)

YL1.0 The Wolf the Duck and the Mouse

本の情報題名: The Wolf, the Duck and the Mouse著者 : Mac Barnettイラスト: Jon Klassen出版社: Puffin BooksYL: 1.0語数: 492概要ある日、ネズミがオオカミに食べられてしまいます。ところが、お腹の中にはすでに住み着いていたアヒルがいて、二匹は出会います。アヒルは「ここなら天敵に襲われないし、食べ物もオオカミが食べるたびに降ってくる」と言って、むしろ快適に暮らしていました。やがてネズミもオオカミのお腹の中での生活を楽しみ始めます。しかし、オオカミが狩人に襲われたとき、アヒルとネズミはお腹の中から協力してオオカミを救います。結果、オオカミは二匹を感謝し、三者は不思議な共生関係を築くことになるのです。(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b=b||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts;(b.q=b.q||,e.appendChild(d))})(window,do...
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英語ライティングの論理展開をどう改善するか?

英作文では、単語や文法が正しいだけでは十分ではありません。主張と理由がしっかりつながっているか(coherence)、文どうしが自然につながっているか(cohesion) がとても大切です。今回のブログでは、生徒の作文をもとに「どこでつながりが弱くなるのか」「どうすれば流れが良くなるのか」を分かりやすく解説しました。formal なつなぎ表現の使い方も紹介していますので、英作文の練習をしている人にも、指導をしている先生方にも役立つ内容です。先日、ライティングクラスで使ったお題を使って「flow(流れ)」の改善方法を見ていきます。英作文で大切な「coherence / cohesion」とは?お題Do you think it is better for students to write by hand than to use tablets or computers?(学生はタブレットやコンピュータを使うより手書きで書いた方が良いと思いますか?)生徒の作文Topic Sentence:I think it is better for students to write by hand...
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漫画 英検アウトプット ネタ:手書き vs デジタル

お題:Do you think it is better for students to write by hand than to use tablets or computers?この漫画は「手書きとタブレット、どちらが学生にとって良いのか?」というテーマを、EmmaとLilyの会話を通して描いています。ライティングやスピーキングでは、話題について自分の意見と理由を説明する力が求められます。この漫画では、理由や意見が自然な会話の中で紹介されているため、意見を考えるヒントとして活用できます。同様のレベルのお題が10個入っています(Amazonで販売中)↓(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b=b||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts;(b.q=b.q||,e.appendChild(d))})(window,document,"script","//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js?...
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え?そこ?──日本語の『そこ』と英語の where に見る言葉の面白さ

場所のことばが「論点」を指すとき英語のwhereと日本語の「そこ」の不思議な共通点言葉はもともとの意味から広がって、意外な使い方をすることがあります。その一つが、英語のwhereと日本語の「そこ」。本来は「場所」を表す言葉ですが、会話では「論点」や「焦点」を指すことがあるのです。英語のwhereが場所じゃないとき"The Naughtiest Girl again" という小説にこんな一文が出てきました。That was just where Elizabeth was quite wrong!(まさにそこがエリザベスの間違っていた点だったのです!)このwhereは「どこ」という意味ではなく、「その点」「その部分」という意味です。つまり「エリザベスが間違っていたのは、まさにその箇所だった」ということです。日常会話でも同じような表現がよく使われます。That’s where you’re wrong.(そこが間違ってるよ)Here’s where the problem starts.(ここから問題が始まるんだ)Where you went wrong is ignoring the i...
YL1(1.0-1.9)

Helbling Readers Fiction Level 2

Helbling ReadersHelbling Readers シリーズは、英語学習者のためにレベル分けされたリーダー教材です。Red Series(Level 1〜3/CEFR A1〜A2)では、中学生向けのやさしい語彙と多彩なジャンルの物語を楽しめます。さらに Blue Series(Level 4〜5/CEFR A2〜B1)では、語数や内容がステップアップし、高校生や中級レベルの学習者にも読み応えのある作品が揃っています。いずれのシリーズも、イラストやアクティビティ、音声・デジタル教材が充実しており、楽しみながら英語の読解力を伸ばすことができます。Jack and the Westbourne Fair題名: Jack and the Westbourne Fair著者: Martyn Hobbs出版社: ABAXYL: 1.4語数: 4,334概要いたずら好きで先生に睨まれているものの、根は素直な少年ジャックの物語です。校長先生の駐車スペースに落書きをしたと誤解され、家で反省(grounded)させられますが、その日は地元に移動遊園地が来ている日でした。ジャックはこっそり抜け...
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塾に通っても英語が伸びない理由 ― すべては中1文法に戻ることから

小学生の「come」の間違いから見える英語学習の構造先日の小6クラスでの出来事です。授業中に「Cathy Carter comes の主語を I にしたら、come はどう変化する?」と質問してみました。教室はしばらくシーンとした後、数名の子が手を挙げてくれました。返ってきた答えは「came!」、つまり過去形です。違うよ、と伝えると、今度は「went!」と声があがります。さすがにそれは別の単語なので笑ってしまいましたが、こうして自分の考えを口に出してくれる積極性は本当に素晴らしいと思いました。正解はもちろん「I come」なのですが、子どもたちは「came」や「went」といった別の知識を総動員して答えようとしているのです。中学生になっても解消されない理解の曖昧さ小6の段階でこうした混乱があるのは、まったく問題ありません。大切なのは正解を出すことよりも、自分の頭で考えて声に出してみることだからです。ただ、この理解の曖昧さが中学生になっても解消されないケースが少なくありません。学校や塾で文法や単語を学んでいくうちに、知識が増えるどころかかえって頭の中が混乱してしまう子も多いのです。結果と...
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【「as 形容詞 as」「as 副詞 as」と丸暗記してないですか?】

「as 形容詞 as」「as 副詞 as」と丸暗記してない?英語を教えていると、中学生がよく 「原級比較=as 形容詞 as」や「as 副詞 as」」 と丸暗記しているのを見かけます。でも、この覚え方は便利な反面、実際の使い方に弱く、文が長くなると途端に混乱してしまうんです。今回は「as〜as」の仕組みと正しい理解の仕方、そしてよくある誤解を例文と一緒に整理してみます。as〜as の正体は?まず大事なのは、最初と最後の as の品詞が違うということ。最初の as → 副詞(so, very と同じ働き。「とても〜」の意味を加える)最後の as → 接続詞(文と文をくっつける役割)つまり本来はこういう仕組みです。例文で分解してみるShe is good at soccer.(彼女はサッカーが得意です)1. 強調してみるShe is so good at soccer.2. as で文をつなぐShe is so good at soccer as I am good at soccer.3. 同じ部分を省略She is so good at soccer as I am.4. so を a...
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Common Mistakes:生徒がよくする英語のミスを集めました

生徒がよくする英語のミス集ライティングを指導していると、皆さんが同じところでミスを繰り返すことに気づきます。そのミスを集めてみました。Mistake 1 — Unnecessary capitalization after introductory adverbs/phrasesミス① — 導入の副詞やつなぎ語の直後を大文字にしてしまう原因分析カンマ(,)を文末のように感じてしまう。端末の自動大文字化の影響。日本語の読点感覚を英語の文境界に当てはめてしまう。❌For example, The dogs are friendly. (例えば、犬たちは親しみやすいです。)⭕️For example, the dogs are friendly. (例えば、犬たちは親しみやすいです。)❌At first, She didn’t understand. (最初、彼女は理解しませんでした。)⭕️At first, she didn’t understand. (最初、彼女は理解しませんでした。)Mistake 2 — Writingalotinstead ofa lotミス② —a lotをal...
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ライティングで大事なこと:お題から外れない!英検準2級の例

お題から外れるライティングライティングやスピーキングで「意見+理由2つ」を答える課題が出て来ることが多いと思います。このときに気をつけなければならないのが、お題から外れてしまわないことです。よくあるズレの例23年第1回目の英検準2級のライティングのお題は以下の通りでした。Do you think people should stop using their smartphones when they eat with others? (人と一緒に食事するとき、スマホを使うのをやめるべきだと思いますか?)ある生徒の答え:Because people cannot enjoy talking with others. ⭕️(お題に合っている)Because people don’t chew well and it is bad for their health. ❌(お題から外れている)なぜズレになるのか?このお題のポイントは「人と一緒に食べるとき」+「スマホを使うかどうか」。つまり「人との関わり」「マナー」「雰囲気」に焦点を当てるべきです。「健康に悪い」は、スマホの問題ではなく「食べ方...