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英語ライティングの論理展開をどう改善するか?

英作文では、単語や文法が正しいだけでは十分ではありません。主張と理由がしっかりつながっているか(coherence)、文どうしが自然につながっているか(cohesion) がとても大切です。今回のブログでは、生徒の作文をもとに「どこでつながりが弱くなるのか」「どうすれば流れが良くなるのか」を分かりやすく解説しました。formal なつなぎ表現の使い方も紹介していますので、英作文の練習をしている人にも、指導をしている先生方にも役立つ内容です。先日、ライティングクラスで使ったお題を使って「flow(流れ)」の改善方法を見ていきます。英作文で大切な「coherence / cohesion」とは?お題Do you think it is better for students to write by hand than to use tablets or computers?(学生はタブレットやコンピュータを使うより手書きで書いた方が良いと思いますか?)生徒の作文Topic Sentence:I think it is better for students to write by hand...
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漫画 英検アウトプット ネタ:手書き vs デジタル

お題:Do you think it is better for students to write by hand than to use tablets or computers?この漫画は「手書きとタブレット、どちらが学生にとって良いのか?」というテーマを、EmmaとLilyの会話を通して描いています。ライティングやスピーキングでは、話題について自分の意見と理由を説明する力が求められます。この漫画では、理由や意見が自然な会話の中で紹介されているため、意見を考えるヒントとして活用できます。Key Words from the Story1. memoryhow well you can remember things:記憶、覚える力Example: Handwriting helps memory.訳: 手書きは記憶に役立ちます。2. concentrationthe ability to focus on something:集中、注意を向ける力Example: Handwriting helps concentration.訳: 手書きは集中に役立ちます。3. convenie...
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ライティングで大事なこと:お題から外れない!英検準2級の例

お題から外れるライティングライティングやスピーキングで「意見+理由2つ」を答える課題が出て来ることが多いと思います。このときに気をつけなければならないのが、お題から外れてしまわないことです。よくあるズレの例23年第1回目の英検準2級のライティングのお題は以下の通りでした。Do you think people should stop using their smartphones when they eat with others? (人と一緒に食事するとき、スマホを使うのをやめるべきだと思いますか?)ある生徒の答え:Because people cannot enjoy talking with others. ⭕️(お題に合っている)Because people don’t chew well and it is bad for their health. ❌(お題から外れている)なぜズレになるのか?このお題のポイントは「人と一緒に食べるとき」+「スマホを使うかどうか」。つまり「人との関わり」「マナー」「雰囲気」に焦点を当てるべきです。「健康に悪い」は、スマホの問題ではなく「食べ方...
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音素認識(phonemic awareness)アクティビティ

音素認識(Phonemic Awareness)とは?英語の読み書き力を育てるうえで、最初に大切なのが「音を聞く力」です。Phonemic Awareness(音素認識)とは、「言葉を構成している音(=音素)に気づき、それを操作する力」のこと。文字は使わず、耳だけで英語の音を感じ取る練習です。この力が育つことで、フォニックス(文字と音の関係)やリーディングがぐんと楽になります。↓44の音素の動画です音素認識のレベル別ステージ🔰 初級(Pre-A1〜)できること:音を分ける(Segmenting)、つなげる(Blending)育てる力:音の数を意識したり、単語の音をまねしたりする力目標:音素を「聞く力」を育てる🟡 中級(A1前後)できること:音を変える(Substitution)、削除・追加する(Deletion / Addition)育てる力:音を意識的に操作する力、短期記憶、柔軟な音処理力目標:音素操作を通じて、音の構造を理解する力を深める🔵 上級(A1後半〜A2)できること:音を複数同時に操作したり、音の順序を変える(逆再生)、複合的に推測する育てる力:音素記憶、注意力、メタ言語意...
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子どもが「趣味」を英語で語れない理由、知っていますか?

〜「hobby」って何だろう?〜「あなたの趣味について英語で書いてみましょう」そんな課題を出すと、こんな答えがよく返ってきます。「水泳です。健康にいいからです。」「絵を描くことです。成績がよくなるからです。」うーん…たしかに一見正しいように思えますよね。でも実は、「健康にいい」「成績が上がる」だけでは、英語で言うところのhobbyとはちょっと違うのです。Hobbyとは「好きでやっていること」hobbyは、ただ「役に立つこと」ではありません。英語でhobbyと言うとき、それは自分の意思で(誰に言われたわけでもなく)楽しくて(やると気持ちが満たされて)時間をかけてもやりたいと思えることそんな「自分の中から湧き上がる活動」を指します。Hobby に必要な3大要素要素内容備考① 自発性(voluntary)自分の意思でやっている義務ではない、強制ではない② 楽しさ(enjoyment)やっていて楽しい、心が満たされる苦しさだけの活動は趣味とは言わない③ 継続性(sustained interest)続けたいと思える一時的な勉強や義務ではなく、時間をかけたいと思うもの「それはなぜ趣味(hobby...
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英作文を添削して感じること:英語力だけではダメ!

「きれいな英語」では伝わらない理由英作文を添削していると、毎回改めて痛感することがあります。それは、普段から意見を表現する習慣がない生徒ほど、英語が表面的になりやすいということです。彼らの英語は、一見するととてもきれいです。難しい単語を使いこなし、文法もそこそこ正確。しかし、読み進めると、中身が驚くほど薄いことに気づきます。ビッグワードは並んでいる。でも「格好良い英語」では届かない例えば、「自分の趣味がなぜ大切か」というライティング課題を出すと、よく見かけるのが以下のような表現です。健康に良い →good for health将来に役立つ →useful for the future環境に良い →good for the environment種類が多い →it comes in many types確かに、こうしたビッグワードは聞こえが良く、英語としてもきれいです。しかし、そこに具体的な説明や個人的な結びつきがなければ、文章は空虚に映ります。たとえば、どのように健康に良いのか?将来どんなふうに役立つのか?具体的にどんな種類があるのか?こうした問いに答える具体性がなければ、英語圏では「...
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ライティングはブレインストーミングが「命」

なぜブレインストーミングがライティング成功の鍵なのか?ライティングでは、多くの人が書き始めるのに苦労したり、途中で行き詰まったりすることがあります。その原因の一つは、ブレインストーミングの不足です。ブレインストーミングは、強力な文章を書くための基盤となります。適切に行うことで、ライティングのプロセスがスムーズになり、構成が整い、より効果的な文章が書けるようになります。この記事では、なぜブレインストーミングがライティング成功の鍵なのか、そしてその方法について解説します。ライティングにおけるブレインストーミングの役割ブレインストーミングをせずに文章を書くことは、設計図なしで家を建てるようなものです。優れたアイデアがあったとしても、明確な構造がなければ文章がまとまりのないものになってしまいます。ブレインストーミングには以下のような利点があります。 考えを整理し、構成を作るブレインストーミングの大きな利点の一つは、文章を書く前に考えを整理できることです。アイデアを無計画に並べるのではなく、関連するアイデアをまとめて整理することで、パラグラフの流れがスムーズになります。例:「私が学校を好きな理由...
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ライティングの難しさ:不自然な英語を書かないようにするには?

英語で文章を書くとき、「日本語で考えた内容をそのまま英語にする」という方法を取ることが多いかもしれません。しかし、この方法では、意味は通じても「不自然」と感じられる文章になりがちです。今回はその原因を解説し、自然な英語ライティングを身につけるための練習方法と、ネイティブからのフィードバックを受ける際の注意点についてお伝えします。日本語で考えた英語が不自然になる理由日本語と英語の論理構造の違い日本語は「文脈を共有する文化」がベースで、聞き手や読み手が補完して理解します。一方、英語は「論理を明示する文化」であり、すべてを具体的に書く必要があります。例:「今日は忙しかったけど楽しかった」だけではわかりません。以下のように詳しく書く必要があります。↓I had a busy day today, but it was enjoyable because I got to spend time with my friends.(訳:今日は忙しかったけど、友達と一緒にいられたので楽しかった)表現の文化的背景の違い日本語では感情や思いやりを直接表現しますが、英語ではそれを間接的に伝えることが多いです...
YL1(1.0-1.9)

英語日記(One Question a Day)一日一問、深く考える力を育てよう

題名: One Question A Day - A Year-Long Journal for Kids: 365 Day Daily Diary with Writing Prompts著者: Busy Kid Press出版社: Independently published一日一問、自分発見『One Question a Day: A Year-Long Journal for Kids』という日記形式のジャーナルをご紹介します。この本は、一年間、自分と向き合うための質問が書かれていて、ワンパターンな日記にならないように工夫されています。また、書くスペースが小さめで4-5行書けば事足りるので、「何を書いていいか困る」「多く書くのは苦手」という人にはピッタリです。本の概要このジャーナルは、365問の質問文が書かれていて、一日に1問ずつ答えていくように作られています。「超能力があったら何をやりたいか?」や「最近、じぶんに伝えたかったことは?」など、自分の感情や考えを探求する内容です。質問は簡単ですが、考えるための時間を与えてくれます。これは、子どもの背景や世界観の構築に大きな影響を...
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英語 点が取れるライティングの「OREO フォーマット」とは?

OREOフォーマットで効果的なライティングを!この記事は英語のライティングをどうしたらいいかわからない方、またはライティングが得意になりたい方向けのものです。先日、高校クラスの生徒さんが定期テストを見せてくれました。その中にライティングの問題があり「OREOフォーマットで書きなさい」と指示がありました今回は、文章を書くための基本的な手法であるOREOフォーマットについてご紹介します。OREOフォーマットとは?OREOフォーマットは、意見を明確かつ論理的に述べるためのライティング手法です。このフォーマットは、特に子供や初心者に対して簡単で理解しやすい構造を提供するために開発されました。OREOは次の4つの要素の頭文字です。Opinion(意見)Reason(理由)Example(例)Opinion(意見の再確認)各要素は以下のとおりです。1. Opinion(意見)まず、最初に自分の意見を明確に述べます。これが自分の主張となります。簡潔で直接的な表現で書きましょう。2. Reason(理由)次に、その意見を支持する理由を説明します。理由は具体的で、読者に納得してもらえるようなものにします...