【前置詞to】
日本人が間違えやすい前置詞 “to”の本当の役割
前置詞 “to”は、可能性や情緒を含んでいる?
答えは「いいえ」です。
“to”には、「かけがえのない縁」のような感情的な添え日的意味はまったくありません。
“to”はただの「向かう先」を示す詞
たとえば…
- go to school (学校に行く)
- give it to her (女性に渡す)
- talk to him (他人に話す)
このように、”to”は 動作や活動の終着点/対象/向き先 を示すだけです。
動いているのは「動詞」の方であり、”to”には動きも情緒もありません。
go to の「to」はセットではない
学習者の多くが「go to」をワンセットで覚えていますが、
実際は「go」=行く動作、「to + 名詞」=その目的地を表す、
という別々の役割があります。
I go.
私は行きます(どこへ?) → 不完全
I go to school. | 学校へ行きます
→ 「to school」で目的地が明確になる
⭐️to は「go にくっついている言葉」ではなく、文の意味を完成させるのに不可欠なパーツなんです。
なぜ “key to a door”なのか
日本人は「ドアの鍵」 → “the key of the door”と言いたくなりますが、
これは英語の発想と違います。
英語の「鍵とドアの関係」は:
- 鍵は ドアを開けるために使う もの
- すなわち “key to the door”
「鍵 → ドア」という、向き先や目的地を示すから、”to”を使うのが自然なんです。
**”key of the door” だと?
「ドアが鍵を持っている」という 「変な所有関係」に聞こえます😅
listen to と listen for の違いは「向き先」の解釈で分かる
表現 | 意味 | ポイント |
---|---|---|
listen to music | 音楽を聞く | すでに音があり、それに耳を向ける |
listen for the bell | チャイムが鳴るかを聞き気を立てる | まだ音は無いが、もしあれば聞こうとしている |
このように、to = 対象に耳を向ける、for = 予期して待つという意識の違いがあります。
to = 「感情のある詞」ではない
- to 自体は強い意思も、私的な縁も、一切持ちません
- その表現を感情的に聞こえさせているのは、
believe / confess / key / answer などの動詞や名詞の側
英語の前置詞は、ちょっとした違いで大きく意味が変わります。
「動詞とセットで覚える」のではなく、意味を理解しながら言葉の仕組みを見抜いていくことで、英語力は根本から高まります。
