「英語をやめたい」と言い出す
小学6年生の保護者の方から、こんなご相談を受けることがあります。
「子どもが“英語をやめたい”と言い出していて……どうしたらいいでしょうか?」
小6といえば、中学進学が少しずつ現実味を帯びてくる時期。
学校でも英語の授業が徐々に本格化し、英語の必要性もなんとなく実感し始めている頃です。
「ここで辞めたら中学で困る!」と周りからも説得されたり、
自分でもそれを実感できる年頃です。
それでも「やめたい」「しんどい」と感じてしまう子がいる。
実はその多くが、「クラスについていけない」という悩みを抱えています。
高学年は英語力の差が広がりやすい時期
高学年になると、子どもたちの英語力は一気に伸びていきます。
自主的に英検にチャレンジするような子も増えてきます。
でも、その一方で、
- まわりと比べて自分ができていないと感じる
- 先生の指示が即座に理解できない
- 音読が苦手(文字が読めない)
- 単語が覚えられない
- 英検がまだ取れていない/あるいは高い級を取れてないことに焦る
そんな「周囲とのギャップ」を意識し始める子も出てきます。
英語が嫌いなのではなく、「できない自分」に苦しくなってしまっている。
英語の学びは、人と比べるものではありません
英語は“ことば”です。
スポーツや音楽と同じように、習得のスピードは一人ひとり違います。
まわりが先に進んでいるように見えても、焦ることはありません。
大切なのは、「自分のペースで、楽しく、安心して続けること」
そんなときは、学び方を少し変えてみる
そんな時、こうご提案することがあります。
「いったんグループレッスンを離れて、個別のオンラインレッスンに切り替えてみませんか?」
グループでの切磋琢磨が向いている時期もありますが、
人の目を気にせず、のびのびと学ぶ時間が必要な時期もあるのです。
実際に個別に切り替えたことで、
- 表情が明るくなった
- 音読のペースが落ち着いた
- 「また英語やりたい」と言ってくれるようになった
そんな嬉しい変化を見せてくれた子も少なくありませんし、英語が好き!と思ってくれます。
つまずきは、悪いことではありません
小6という大切な時期に「英語をやめたい」と思ってしまうのは、とても勇気のいること。
だからこそ、
その気持ちを「甘え」や「やる気のなさ」と捉えるのではなく、
「ちょっと今、立ち止まりたくなっただけ」
そう思ってあげられたら、きっとまた前に進んでくれるはずです。
中学に入れば嫌でも立ち向かわないといけません。
だから「亀の歩みでも良いから続けていく」ことが大事です。
最後に
英語の学びは、競争ではありません。
英語が「好き」「楽しい」と思える時間を、もう一度つくってあげましょう。
そして、焦らず、無理せず。
誰かと比べるのではなく、その子自身のペースを大切にしていけますように。
