ホワイトハウス報道官の発言から学ぶ英語表現
2025年4月、実業家イーロン・マスク氏とトランプ政権の元上級顧問ピーター・ナバロ氏の間で起きたSNS上の言い争いが、アメリカ国内で注目を集めました。
これに対して、ホワイトハウス報道官のカロライン・レヴィット氏が次のようにコメントしました:
“Boys will be boys and we will let their public sparring continue.”
「男の子はそういうものですからね。彼らの公の口論はそのまま続けさせましょう。」
この一文、ただの軽口と思うかもしれませんが、実は英語文化の中ではよく使われる比喩表現が隠れています。
Boys will be boys
直訳すると「男の子は男の子であるだろう」ですが、実はここで使われている “will” は未来を表す「〜だろう」ではありません。
この記事では、この“will”が持つ「習性」や「傾向」という意味について解説します。
will は未来だけじゃない!
多くの英語学習者が、「will=未来」と覚えていますが、実は “will” には次のような使い方があります:
未来のことを言うとき(一般的な用法)
- I will go to the store tomorrow.
(明日お店に行くつもりです)
意志・決意を表すとき
- I will never give up.
(絶対にあきらめません)
習性・傾向・性格を表すとき ← 今回の注目ポイント!
- Boys will be boys.
(男の子はそういうもの)
→ 「〜する傾向がある」「〜という性格・習慣を持っている」
という意味になります。
Boys will be boysの意味を深掘り
この表現は、「男の子はいたずら好きで、時にトラブルを起こすものだ。
だからある程度は仕方がないよね」というあきらめや寛容、あるいは皮肉を込めて使われます。
例えばこんな時に使います:
- 子どもが泥だらけになって帰ってきたとき
- 兄弟がケンカして騒いでいるとき
- 有名人や政治家同士が子どもっぽく争っているとき(今回の文脈!)
他の will の習性用法の例
⭐️He will always leave the lights on.
(彼はいつも電気をつけっぱなしにするんだよね)
これは未来の話ではなく、「彼はそういう癖がある」「いつもそうなんだ」という意味です。
⭐️ Cats will scratch the furniture.
(猫って家具を引っかくものだよね)
「猫=家具を引っかく動物」という、本能や性質を語っています
。飼い主の共感を呼ぶ言い回しですね。
⭐️She will cry over the smallest things.
(彼女はちょっとしたことで泣いちゃうんだよね)
この例では、「そういう感情的な傾向がある人」という意味で使われています。
本人の性格や感情のパターンを表しています。
⭐️My computer will freeze whenever I’m in a hurry.
(急いでいるときに限って、うちのパソコン固まるんだよ)
これは人間ではなく物の“癖”や“ありがちな傾向”を言うときにも使えます。
ちょっとユーモラスな表現です。
このように、will は未来を表すだけではなく、「こういう傾向がある」「そうなりがち」という“あるある”の英語的感覚を伝えるのにも使える便利な単語です。
