2作目:Comet in Moominland
題名: Comet in Moominland
著者: Tove Jansson
翻訳:Elizabeth Portch
出版社: SQUARE FISH
YL: 4.5-5.0
語数:30,769
概要
ムーミン谷に巨大な彗星が近づいていると知ったムーミンは、スニフやスナフキンと一緒にその真相を確かめるため、山の観測所を目指して旅に出ます。
道中で彼らは、個性豊かな仲間たち(ムラジ、水ネズミ、ヘムレン、スノーク姫など)と出会い、
ワニや巨大なトカゲに遭遇し、竜巻や干ばつといった自然災害レベルの試練にも立ち向かいながら旅を続けます。
観測所で彼らが知ったのは――
「彗星は本当に地球に向かっている」という衝撃の事実。
ムーミンたちは急いで谷へ戻り、洞窟に避難します。
「もうだめかもしれない」と思いながら一夜を過ごした翌朝、彗星は地球をかすめるように通過し、ムーミン谷は無事でした。
命の危機を乗り越えたムーミンたちは、自然と仲間とのつながりの大切さをかみしめるのでした。
意外な事実
実はこの作品は1作目ではなく2作目の作品なのです。
ではなぜ『彗星』が第1作扱いされることがあるのか?
- 『The Moomins and the Great Flood』(ムーミンの最初の旅)は、戦時中に書かれ、短く、やや実験的な内容で、長年英語訳もされていませんでした。
- 一方、『Comet in Moominland』はシリーズとしての世界観や主要キャラ(スナフキン、スノークのおじょうさんなど)が初めてきちんと登場し、シリーズの出発点として認識されやすい作品なのです。
- 実際、多くの英語圏の読者や出版社は「シリーズ第1巻」として『Comet in Moominland』を扱っています。

ちょっと古風な表現紹介
“What does all that come to, please?”
“Comet in Moominland” p106
(「それ全部でいくらになりますか?」)
スノークが何かの合計金額をたずねる場面です。
文としてはシンプルですが、日常英会話ではあまり見かけない表現ですよね。
この “What does all that come to?” という言い回し、
実は「全部合わせてどうなるの?」という意味で、金額や結果を尋ねるときに使われる少し古風な言い回しです。
現代英語で言うなら、
- How much is that in total?
- What’s the total?
などの方がよく使われます。
でも、ムーミンの世界のように、少し詩的で丁寧な雰囲気を出すにはぴったりの言い回しかもしれませんね。
絵本や児童文学には、こうした「ちょっと古風だけど美しい英語」がときどき登場します。
そういう発見も、読書の楽しみのひとつです♪
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