英語多読するときのYLレベルと語数で迷ったら?
いざ多読を始めよう!と思っても、何を読めば良いのか分かりにくいですよね。
多読は「英語を英語のまま読む」ということが大事なので、英語のどのレベルの人も最初は超初心者レベルからスタートする必要があります。
ある高校では、生徒が入学する前に課題図書のようなものが宿題として出されたりするのですが、どう考えても、多読を始める子たちにとっては酷だろう。。。。と思う本が渡されたりします。あんな難しい物からスタートしたら、英語アレルギーになっちゃうと思うんですけどね😅
英文を読む順番
日本語と英語は語順が違うので、どうしても英語を読むとき日本語に当てはめて返り読みしてしまう傾向にあります。でも、英語を読むとき返り読みをせず、日本語に翻訳せず、英語のまま読めるようになるには順番があります。
従来の考え方
今までは学校や塾で、
- 簡単で短い英文を読む
- 難しくて長い英文を読む
という順番でした。この方法だと、いざ長文を見ると、
「うわ!英語だ〜」という反応をする「長文嫌い」を量産してしまうことになります。。。😅
多読の考え方
でも、多読は違うアプローチをとります
- 簡単で短い英文を読む
- 簡単で長い英文を読む
- 難しくて長い英文を読む
(この考え方を基本とはしますが、エスカレーターのように段々レベルを上げていくのではなく、レベルを下げたり上げたりしてミックスしながら上げていく方が効果的です)
読むときの原則
読書で英語力を伸ばすには大事な原則があります。この原則を守って読んでいけば、緩やかにレベルアップができます。
多読3大原則
- 英語のまま理解する(日本語が頭にちらついたらレベルを下げること)
- 理解度7-9割で読む(精読とは違います。大体分かればどんどん読み進めましょう)
- 自分に合った本を読む(英語だから何でも読まないといけない、という考えを捨てましょう)
壁を感じたら横に広げる
「楽しく読む」というのが多読の基本ですが、それでもある程度読んでいくと「読みにくい」「難しい」と感じるときがあります。
その時はレベルを上げるのをいったん辞めて、「楽だ」と感じるレベルに戻って、そのレベルの物を大量に読みましょう。上に広げるのではなく、横に広げていくのです。
自分にとって快適な本を多く読んでいくと、次のレベルにスムーズに進むことができます。
パンダ読みとキリン読み
上のレベルに挑戦したいけど、下のレベルもちゃんと読みたい。どのぐらいの割合で読めば良いのでしょうか?
教室では1週間で
キリン読み:自分のレベルの本:パンダ読み=2 : 3 : 5
ぐらいで読むように指導しています。
*背伸びして読む方法を「キリン読み」、自分のレベルより易しい本を読む方法を「パンダ読み」と言います。
「多読」と言えるようになるにはどのぐらい読めば良い?
確かにちょっと読んだぐらいでは「多読」にはなりません。
年間100万語読破を目安にすると良いでしょう。(できればリスニングも年間100万語)
教室でも年間30万を切るような読み方をしている場合は英語のレベルを上げるのは難しいと実感しています。
10万語ぐらいを読むと英語を英語のまま読むことに慣れてきます。
年間100万語を超えてくると、英語の回路が出来上がっていきます。
年間300万語ぐらいで「留学している人」と同じようなインプット量になります。
レベル
さて、それでは、多読が成功するように読みやすさレベル(YL)を用いてレベル別の紹介をします。
YL1未満(YL0.1-0.9)
多読が初めての人は、このレベルから読みましょう。
YL0.1-0.5
今のあなたの英語の偏差値とか英検の級とかは一切関係ありません。
このレベルでも十分あなたの知らない言い回しが出てきますから、真摯な気持ちで読んで下さい。まずはYL1未満で10万語を超えましょう!
「頭の中に日本語訳がちらつかない」ということが絶対条件です。日本語にしないと読み進められないのであれば、レベルをぐっと下げましょう。
英語の多読を始めるには
「英単語が100語ぐらいは頭に入っている」
ということが重要になっていきますので、「英語が全く初めて」という人は、
とにかく英単語の量が極端に少ない絵本を音源と一緒にめくることからスタートして下さい。
YL0.6-0.9
YL0.5以下の本はサラサラと読めても、YL0.6以上になると急に読めなくなるという人が結構います。単語レベルも上がり、文章の量も一気に結構多くなって、ぱらぱらと本をめくると
「うわっ!英語だ!」
みたいな反応になってしまう人が出てきます(笑)
多読をしていると、YL0.6や0.7に壁があります。この壁を越えるには、
- 中学レベルの単語がある程度頭に入っている
- YL0.5以下を10万語ぐらいしっかり読んだ
という点が大事になります。ここをおざなりにすると、YL0.6で挫折して「多読やめた…」となります
YL1以上(YL1.0-1.9)
YL0.6やYL0.7を超えてくると、意外と手こずりますが、それをクリアしてYL0.6以上の本を簡単に読めるようになったら、YL1以上の物に挑戦してみましょう。このレベルになってくると、内容が濃くなってきて、かなり読み応えのある物が増えてきます。
英検準2ぐらいのレベルだと、このYL1レベルはかなり大事になってきます。
年齢にもよりますが、中高生なら、このレベルの物は100冊以上読んでほしいものです。
英語の基礎単語の使い方を感覚でモノにできるようになっていきます。
YL2以上(YL2.0-2.9)
多読の最初の目標が「YL2を超えること」ですから、このレベルを読めるようになるというのは大きな意味があります。
ペンギンリーダーとかマクミランリーダーなどレベル別になっている本はこのレベルが豊富なのですが、意外に洋書だと見つけにくいレベル設定です。
英検2級を余裕で受かるぐらいのレベルを超えてから徐々に上げていきたいものです。このレベルをしっかり読んでおかないと、次に来るYL3の壁という物にぶち当たってしまいます。
YL3以上(YL3.0-3.9)
多読は「YL3以上&1冊1万語以上の本」が読めれば成功と言われます。
多読をする上で大きくそびえ立つ壁がこのYL3です。うちの教室では準1級を軽々受かるような子達ですらこのYL3はしょっちゅう読んでいます。
児童書がぐっとおもしろくなって読み応えがある物が増えてきます。
YL4以上(YL4.0-4.9)
YL3の壁を越えて、山ほどYL3を読み込んだら、YL4に挑戦してみましょう。このレベルになってくると本が厚くなっていきます。語数も1冊3万語を超えたり、ページ数も大幅に増えていきます。
YL4.5ぐらいが昔の共通テスト(名前はセンターテスト)ぐらいのレベルです。
この辺りの本をスラスラ読みできる人は英検で言えば準1級を合格できる実力を持っている人が多いです。
YL5以上(YL5.0-5.9)
YL5が読めるなら、生活の中に英語を取り込んでいる人でしょう。
YL4に比べるとぐっとレベルが上がります。
英検で言えば、英検準1級のリーディングをサラサラと読めるぐらいのレベルは欲しいですね。
YL6以上(YL6.0-6.9)
YL5を山ほど読んだ後、YL6へ挑戦してみましょう。このレベルになると、現地の高校生や大人も読むようなレベルになってきますので、容赦の無い英単語がちりばめられていきます。
ここまで読めるようになったら、あとはひたすら読んでいくだけです!
YL7以上
完全なペーパーバックの世界となります。ネイティブと遜色なく読書を楽しんでください♪
本の種類
一口に「洋書」と言っても種類があります。ここでは3つの種類を紹介していきます
絵本(Picture books)
文字通り「絵本」です。
教室では青で色づけされています。
現地のお子様が読む本ですから、現地のお子様が分かるように書かれています。日本で学ぶ教科書の語彙とは全く違います。
日常で触れる物や虫の名称などが頻出します。
児童書&一般書(Paperback)
教室では青または緑で色づけされています。
こちらも絵本と同じく、現地の人たちが読む本ですので注意が必要です。
英検の級が高いから読める、というようなものではなく、どのぐらい多読ができているかで難易度が変わっていきます。
「子供用の本なんだから簡単」という考えは捨てましょう。なじみの無い単語量に押しつぶされてイヤになってしまいます😅
児童書を楽しく読むには絵本からスタートし、段々レベルを上げていく必要があります。
レベル別本(Graded Readers)
教室では赤で色づけされています。
教科書のように語彙を制限して、外国人学習者が読みやすくリライトしたものです。高校生や大人になって多読を始める場合、まずはこのレベル別に分けられた本(Graded Readers)から挑戦したり学校で進められたりする人が多いようです。
語数制限や易しい文法で書かれていますので、児童書に比べてかなり読みやすいという利点があるのと、大人から多読を始める人は「子供向けの絵本から始める」というのがイヤだと思う人も多いです。
英語は易しくても大人の内容が読みたい!
と思う人はこのレベル別に分けられたシリーズ(Graded Readers)が大いに役に立ってくれます。
代表的なGraded Readersは以下のようなシリーズがあります。
ピアソンイングリッシュリーダーズ (旧ペンギンリーダーズ)
オックスフォードブックワーム
マクミランリーダーズ
などが当てはまります。
ピアソンイングリッシュリーダーのレベルは、以下のようになっています。
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