英語で文章を書くとき、
「日本語で考えた内容をそのまま英語にする」という方法を取ることが多いかもしれません。
しかし、この方法では、意味は通じても「不自然」と感じられる文章になりがちです。
今回はその原因を解説し、自然な英語ライティングを身につけるための練習方法と、ネイティブからのフィードバックを受ける際の注意点についてお伝えします。
日本語で考えた英語が不自然になる理由
日本語と英語の論理構造の違い
日本語は「文脈を共有する文化」がベースで、聞き手や読み手が補完して理解します。
一方、英語は「論理を明示する文化」であり、すべてを具体的に書く必要があります。
例:
「今日は忙しかったけど楽しかった」
だけではわかりません。以下のように詳しく書く必要があります。↓
I had a busy day today, but it was enjoyable because I got to spend time with my friends.
(訳:今日は忙しかったけど、友達と一緒にいられたので楽しかった)
表現の文化的背景の違い
日本語では感情や思いやりを直接表現しますが、英語ではそれを間接的に伝えることが多いです。
例:
「お一人になられて寂しいことと思います。」
→I can’t imagine how hard this must be for you. My thoughts are with you.
(訳:この状況がどれほどお辛いか、私には想像することしかできません。私の思いはあなたと共にあります。)
翻訳では英語特有の「型」に対応できない
日本語もそうであるように、英語にも状況に応じた「決まり文句」や「型」があります。
日本語をそのまま英語にすると、これらの型を無視してしまい、不自然さが生まれます。
英語ライティングを上達させる方法とネイティブから学ぶ際の注意点
英語ライティングを上達させるためにネイティブスピーカーから学ぶのは、効果的だと思われがちです。
しかし、日本語話者にとっては、ネイティブだけに頼る学習では時間がかかりすぎたり、理解が深まらないことがあります。
特に、日本語にない概念を学ぶ際には、この問題が顕著になります。
以下は、ネイティブから学ぶ際の注意点を中心に、効果的なライティングの学習方法をお伝えします。
ネイティブから学ぶ際の注意点
日本語と英語で論理構造が異なるため、説明が不十分になりがち
英語には、日本語にはない概念が数多くあります。
そのため、ネイティブスピーカーがこれらの概念を日本語話者に説明するときに、「当たり前すぎて説明しない」「そもそも相手が何につまずいているか理解できない」といった問題が起こりやすいです。
例: Thesis Statement(主題文)
英語では、論文やエッセイの中心となる主張(Thesis Statement)を冒頭で明示するのが一般的です。
一方、日本語では「文章全体を通じてじわじわと主張が現れる」ことが多く、この違いを認識せずに学ぶと混乱します。
ネイティブスピーカーは、英語の論理が染み付いてしまっています。ですから、その重要性を日本人に理解させるのがいかに大変かがわかりにくいのです。
実際の体験談:
「何年もおうち英語で育ち、長年ネイティブからライティングを学んでいても、Thesis Statementの本当の意味を理解するまでに時間がかかりました。結局、日本語で解説されたときに初めてその重要性をしっかり理解できました。」
文化や文脈の違いを教えてもらえないことが多い
ネイティブスピーカーは自分たちの文化や文脈に基づいて文章を書くため、何が自然で、何が不自然かを「感覚的」に判断します。
日本語話者にとっては、「なぜその表現が良いのか」「どうしてその構造が必要なのか」を論理的に説明してもらえないと、理解が進まないことがあります。
時間がかかりすぎる場合がある
日本語話者にとって未知の概念や構造をネイティブから学ぶ場合、正しい理解に何年もかかることがあります。
これは、日本語話者が何につまずいているのかをネイティブが理解しづらいからです。
解決策:
日本語で丁寧に説明された教材や指導を受けることで、学びを効率化できます。
日本語話者特有の課題に合わせた指導を受けると、概念が短期間でクリアになります。
日本語話者が効果的に英語ライティングを学ぶ方法
日本語で説明ができる人から学ぶ
日本語で論理構造や表現の背景をしっかり解説できる教師から学ぶことで、短期間で深く理解できます。
模範文を徹底的に活用する
しっかり構造を教えてもらった上で(自学は無理があります)、ネイティブが書いた模範文を参考に、自分の文章に取り入れて練習しましょう。
その際、模範文をそのまま真似するだけでなく、「なぜこの構造なのか」を日本語で解説された情報源から学ぶと効果的です。
日本語で考えず、英語で直接書く練習をする
日本語で考えた内容をそのまま英語にするのではなく、最初から英語で考える習慣をつけましょう。
これをいきなり実践するのは難しいので、短い文章から始めるとハードルが低くなります。
フィードバックは意図を明確に伝えてもらう
ネイティブスピーカーからフィードバックをもらう際は、
「どういう意図でこの文章を書いたのか」を事前に説明しましょう。
これにより、単なる文法の指摘ではなく、表現や構造のアドバイスを得られる可能性が高まります。
そもそもネイティブの英語が「だいたい分かる」ぐらいであれば、ライティング指導にネイティブを選ぶのはやめましょう。指摘されても、その指摘が分からない、ということになってしまいます。
ネイティブのライティング活用は、彼ら指摘が分かるレベルになってから活用してください。
日本語と英語の違いを学ぶ
英語ライティングの基礎を効率よく身につけるには、まず日本語と英語の違いを明確に理解することが大切です。
これにより、翻訳的な英語ではなく、英語らしい表現を使えるようになります。