No Passengers Beyond This Point

情報

題名: No Passengers Beyond This Point
著者: Gennifer Choldenko
出版社: Bloomsbury Childrens Books
YL: 6.0 – 7.0
語数: 50,273

概要

三人きょうだいの Finn(フィン)、India(インディア)、Mouse(マウス) は、

母親が突然の失業で家を失ったため、コロラドにいるおばの家に引っ越すことになります。

ところが空港に向かう途中、彼らの乗った飛行機は奇妙な都市 「Falling Bird」 に着陸してしまいます。

この街は一見するとユートピアで、住人たちは幸せそうに暮らしています。

しかし、子どもたちは徐々にこの街に潜む不穏な秘密と、

「本当にここに留まるのか、それとも戻るのか」という選択を迫られていきます。

変わっているポイント

語りのスタイル

三人きょうだい(India・Finn・Mouse)がそれぞれ交互に語り手となり、章ごとに視点が切り替わる形式です。

普通の児童小説よりも「多声的」で、読み手は同じ出来事を違う角度から体験します。

舞台設定「Falling Bird」

飛行機が着陸する謎の街「Falling Bird」は、一見ユートピアに見えるけれど、どこか不気味。
現実とファンタジーの境目があいまいで、物語全体に「これは現実なのか?夢なのか?」という雰囲気が流れています。

メッセージ性の強さ

普通の冒険ファンタジーというより、寓話的。

「子どもにとって安全で心地よい場所とは?」

「現実の困難から逃げることと、向き合うことの違い」

「家族で生き抜く力」
といったテーマが込められていて、読む人によって受け止め方が変わります。

ラストの解釈の余地

物語の結末ははっきりと「現実/幻想」の答えを出さずに終わります。
そのため、読者は「この街は本当に存在したのか?」「彼らはどうなったのか?」を考えながら本を閉じることになります。

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