英語が読めないということ
長く英語教室で教えていると、一定数の生徒が「英語が読めない」という壁にぶつかるのを目の当たりにします。
サボっている子は別として、毎日宿題をこなし、多読も真面目に取り組んでいる子でも、この問題に直面することがあります。
今回は、その理由と解決策について、
読書科学(Science of Reading)と
多読(Extensive Reading)に焦点を当ててお話しします。
英語が読めない理由
英語が読めないという問題は、多くの子供たちに共通する悩みです。
主な原因は以下の通りです:
- 音韻認識が足りない: 英語の音を正しく聞き分ける力が不足している。
- フォニックスの理解不足: 文字と音の関係を理解していない。
- 語彙力が少ない: 知っている単語の数が少なく、読んでも意味がわからない。
- 読解力が弱い: 文章全体の意味を理解する力が不足している。
これらの問題を解決するために、読書科学と多読のアプローチが非常に有効です。
読書科学(Science of Reading)とは?
読書科学は、どうやって人が文字を読んで理解するようになるかを研究する学問です。
この分野の研究は、心理学、脳科学、言語学、教育学などの知見を集めたものです。
読書科学に基づいた指導法は、体系的で科学的な方法を使ってスキルを教えることを重視します。
読書科学の重要なポイント
- 音韻認識(Phonological Awareness): 言葉の音を認識し、操作する力。
- フォニックス(Phonics): 文字と音の関係を理解する力。
- 語彙力(Vocabulary): 知っている単語の数とその意味。
- 流暢さ(Fluency): 正確に、速く、表現豊かに読む力。
- 読解力(Comprehension): 文章の意味を理解し、解釈する力。
これらのスキルを段階的に教えることで、生徒は効率的に読書能力を向上させることができます。
このような体系的なアプローチがなく自然に読めるのは30%ぐらいしかいないという報告があります😱
With sufficient direct instruction on the foundational skills of reading, 95% of students can learn to read. This is why a Structured Literacy approach is crucial. Without it, only 30% of students will learn to read. Fifty percent require explicit and direct instruction in foundational skills to learn to read, and a further 15% require additional attention and support.
日本語訳:読書の基礎スキルについて十分な直接指導を受けることで、95%の生徒が読めるようになります。これが、構造的リテラシーアプローチが重要である理由です。これがなければ、読めるようになる生徒は30%にとどまります。50%の生徒は、読書の基礎スキルに対する明確で直接的な指導が必要であり、さらに15%の生徒は追加の注意とサポートが必要です。
多読(Extensive Reading)の効果
多読とは、興味のある本や記事をたくさん読むことです。
多読は、読書の楽しさを重視しながら、自然に読書スキルを向上させる方法です。
多読のメリット
- 語彙力アップ: たくさんの本を読むことで、新しい単語に触れる機会が増えます。
- 読解力向上: 様々なジャンルやテーマの文章を読むことで、読解力が強化されます。
- 読書の楽しさを体感: 自分の興味に合った本を読むことで、読書の楽しさを実感し、継続的な読書習慣が身につきます。
- 流暢さの向上: 多くの文章を読むことで、読む速度と流暢さが向上します。
読書科学と多読の組み合わせ
読書科学と多読を組み合わせることで、効果的に英語の読書力を高めることができます。
- 体系的なスキル習得: 読書科学に基づいて音韻認識やフォニックス、語彙力、読解力を段階的に教えることで、基本的な読書スキルをしっかりと身につけることができます。
- 自主的な読書習慣: 多読を通じて、生徒が自主的に読書を楽しむことができるようになります。読書が習慣化し、学習のモチベーションが高まります。
まとめ
英語が読めないという問題は、多くの生徒が直面する課題ですが
読書科学と多読のアプローチを組み合わせることで効果的に克服することができます。
読書科学に基づいた体系的なスキル指導と、多読による自主的な読書習慣の確立は、英語の読書力を飛躍的に向上させる鍵です。
英語を学ぶ全ての生徒が、自信を持って本を読み、楽しむことができるよう、これらのアプローチを取り入れて体系的に学んで欲しいです。