中学生の英検準1級の壁:なぜ多読やオンライン英会話だけでは届かないのか

英検準1級の壁

オンライン英会話が広まってきた頃から、英検に関するお問い合わせが急増してきました。特に注目すべきは、小学生の頃に英検2級に合格した生徒が、中学生になっても準1級に届かないという相談です。英語の勉強を続けているのに、なかなか合格できない…こうした悩みはとても多いです。

先日も、小学4年生で2級に合格した生徒の保護者から、「中学2年生になっても準1級に合格できない」というご相談を受けました。

このケースは決して珍しいものではなく、英語に対して熱心に取り組んでいる生徒でも、準1級の壁に直面することはよくあります。

英検準1級に合格する子たちの共通点

教室では、多読を中心に英語力を育成しています。

実際、500万語以上の英語を読んでいる生徒もおり、彼らの英語力は間違いなく高いです。

しかし、それでも準1級に合格するのは簡単ではありません。合格する中学生には、いくつかの共通点があります。それは「論理的思考能力」と「アカデミックなスキル」を持っていることです。

英検準1級では、単語力や読解力だけでは足りません。

出題される内容がより高度で、特にライティングやリーディングでは論理的な思考力が求められます。単に与えられた情報を理解するだけでなく、その情報をもとに自分の意見を構築し、説得力のある文章を書く能力が試されます。

教室で準1級に合格した中学生の生徒たちは、ブレインストーミングからアウトライン作成、そしてそれを基に論理的な文章を書くという過程を徹底的に行っています。

準1級は、単に「英語を知っている」だけでなく、「英語を使って考え、表現する」力が必要なのです。

読む習慣がないと準1級はさらに厳しい

もう一つよく聞く悩みが、「普段から英語を読む習慣がない」ということです。多くの生徒が、特に中学生になると学校の勉強や部活動などで忙しくなり、英語の本や記事を読む時間が少なくなってしまいます。

英検準1級は、高度な読解力や語彙力が求められる試験です。そのため、日常的に英語に触れていないと、試験範囲の文章や質問に対応するのが一層難しくなります。

普段から読む習慣がない場合、試験の長文やライティングの課題に対する耐久力や集中力が十分に鍛えられていません。「読む馬力がない」というヤツですね。

また、英語で自分の意見を構築し、論理的に表現する練習も不足してしまうため、ライティングにおいても厳しい状況になります。日頃から英語に触れ、考える機会を持つことが重要です。

多読だけでは合格できない理由

多読は英語力を飛躍的に向上させる素晴らしい方法です。語彙力や読解力、そしてリスニング力の向上に大きな効果があります。

しかし、英検準1級においては、多読だけでは限界があると感じています。特に、ライティングやスピーキングといった「アウトプット」の力が重要になってくるためです。

例えば、500万語を読んでいる生徒でも、準1級のライティングでは苦戦することがあります。なぜなら、単に文章を読むだけでは、論理的に文章を組み立てる訓練が不足してしまうからです。

読書は「インプット」ですが、それを「アウトプット」に活かすためには、別途のトレーニングが必要です。

準1級では、自分の意見を持ち、それを説得力のある形で伝える力が問われます。特に、ライティングでは単に文法や単語の正確さだけでなく、意見の構築力や論理性が評価されます。このスキルを身につけるためには、多読に加えて、ブレインストーミングやアウトライン作成といったアカデミックな技術を学ぶことが不可欠です。

アカデミック技術の重要性

私の教室では、ライティングの際に必ず「ブレインストーミング」と「アウトライン作成」のプロセスを取り入れています。これらのプロセスをしっかり行うことで、生徒たちは論理的な文章をスムーズに書けるようになります。

準1級のライティング課題では、単に「正しい英語」を書くだけでなく、「自分の考えを効果的に伝える」ことが求められます。

また、アカデミックなスキルを身につけることで、リスニングやリーディングも一気に楽になります。例えば、論文や記事を読む際に、論理構造が理解できると、内容の把握が早くなります。

同じように、リスニングでも、話の流れを論理的に追えるようになることで、聞き取れる情報量が増えます。これらのスキルは、単に語彙力や文法力だけでは得られない部分です。

アカデミック技術を学ぶためには

「なかなか準1級が取れない…」と悩んでいる中学生の皆さんには、ぜひアカデミックな技術を学ぶことをお勧めします。具体的には、ブレインストーミングやアウトライン作成を取り入れたライティングの練習や、論理的に考える力を養うためのディスカッションやディベートの機会を探すことです。

ただし、現状では、中学生向けにこうしたアカデミック技術を教えてくれる場所はまだ少ないのが現実です。そのため、自分で学べる教材やプログラムを探すのが大変かもしれません。

しかし、そうした技術を身につけることで、英語力だけでなく、学習全般の力も大きく伸びることを実感できるでしょう。

最後に

英検準1級の合格は、多読だけでは簡単に達成できるものではありません。論理的思考とアカデミックな技術を身につけることが、合格への鍵となります。

準1級の壁に悩んでいる方々には、ぜひ「読むだけではなく、書くこと、考えること」に重点を置いてみてください。そして、そのための環境や機会を見つけて、積極的に学んでいくことをおすすめします。

準1級は単なる英語力を超えた「考える力」を求める試験です。それを突破するためには、アカデミックな視点を持ち、論理的に物事を考える習慣をつけることが大切です。

準1級に挑戦する中学生の皆さん、ぜひ頑張ってください!

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