〜多読・リスニング・スピーキングだけでは不十分な理由〜
今日、アメリカ在住のリスニング指導の先生と話をする機会がありました。
その中で改めて確信したことがあります。
それは、
「文法は自然に習得できない」
という事実です。
英語圏でも、日本と同じです。
子どもたちは、ただ聞いて話しているだけで文法を完璧に身につけるわけではありません。
学校で何度も「書く」機会を与えられ、
- テストで間違いを指摘され
- 先生や周りの人から訂正され
- 発表やエッセイで自分の表現をブラッシュアップしていく
こうした「フィードバックを受ける過程」を何度も繰り返す中で、
文法が自然と自分のものになっていくのです。
日本語でも同じですよね。
私たちは「これは上二段活用だ」などと意識して日本語を使っているわけではありません。
しかし、小学校の作文や漢字テストなどで何度も書き直し、
フィードバックを受ける中で自然と「正しい形」に整えられていきます。
つまり、
自然に使うだけでは不十分で、意図的な訂正と書き直しの経験が不可欠なのです。
「自然に覚えた」人ほど陥りやすい文法の弱点
最近、特に感じるのは、
多読やリスニング中心で英語に親しんできた学習者ほど、独特の文法ミスに陥りやすい
ということです。
例えば、
- be動詞と一般動詞を同時に使ってしまう
(例:He is plays soccer.) - 過去形を表したいのに”ed”をつけず、”was”だけで済ませてしまう
(例:I was go to school.)
こうしたミスは、単なる「知識不足」ではありません。
むしろ、「自然に覚えたからこそ」起きるズレなのです。
聞き覚えや言い回しの感覚で英語を組み立てているため、
細かい文法のルールが固まっておらず、
誤ったパターンのまま定着してしまうリスクがあるのです。
本当に英語力を上げたいなら
多読やリスニング、音読、スピーキング。
これらは英語力を育てるためにとても大切な活動です。
ですが、それだけでは「文法的な正確さ」を保証することはできません。
書く(アウトプット)+訂正される(フィードバック)+直していく(リライト)
この地道なプロセスこそが、
英語を「ただわかる」レベルから、
「正しく使える」レベルに引き上げてくれます。
