英語の表現 call someone on it はドラマや映画などではお目にかかりますが、日本人には少し分かりにくい言い回しのひとつです。
直訳すると「誰かをそれについて呼ぶ」ですが、実際の意味はまったく違います。
この表現は
「相手のごまかしや態度をズバリ指摘する」「正面から注意する」
という意味で使われます。
たとえば、相手がうそをついたり、ずるいことをしたりしたときに、それを見抜いて「それ違うよ」と伝える、そんな場面です。
ドラマ『フレンズ』でもこの表現が印象的に登場します。
シーズン2の第23話では、
If you try to pull something, he’ll call you on it.
(もし何かごまかそうとしたら、彼は見抜いて指摘するよ)
というセリフが出てきます。
ここでは pull something が「ごまかす」という意味で、call you on it は「その行動を見抜いて注意する」ということになります。
つまり、「彼はズルを許さないタイプ」というニュアンスですね。
そして次の24話では、チャンドラーがこう言います。
You know how sometimes I tend to get a little defensive and quippy? Well, she totally called me on it.
(僕って時々、防御的になって皮肉っぽくなるでしょ?彼女にそれをズバリ指摘されたんだ)
自分の悪い癖を相手に真正面から言われた、という場面です。
少し照れくさいけれど、こうやって本音でぶつかってくれる関係って素敵ですよね。
call someone on it は、単なる「注意」ではなく、「正直さ」や「信頼」を含んだ言葉です。
相手のためを思って本当のことを伝える、そんなときにぴったりの表現です。
日本語にすると、「それをズバリ指摘する」「ごまかしを見抜く」「正面から注意する」あたりが近いでしょう。
たとえば
「彼にウソをついたら、すぐにバレて指摘されるよ」
「彼女に皮肉な態度を見抜かれて注意された」
といった場面で使えます。
call someone on it のような自然に使われる言葉を知っておくとどんどん映画やドラマを楽しむことができるようになります。


