日本語で考えた英語
英語を教えていると、生徒が言ったり書いたりする「英語が不自然」と思うことがよくあります。
意味は通じても、「英語っぽくない」と感じられることがあるんです。
どうしてそんなことが起きるのか、そしてどうしたら自然な英語を話せるようになるのか、考えてみましょう。
なぜ日本語で考えた英語が不自然になるのか?
英語と日本語の考え方の違い
日本語は「文脈で分かることは省略する」ことが多い言葉です。
でも、英語は「すべてをしっかり説明する」必要があります。
この違いが、不自然に感じられる原因になることがあります。
先日、私の母から以下の文を訳して欲しいと依頼されました
「この度はご愁傷様です。お一人になられて寂しいことと思います。」
→英語(直訳): “I’m sorry for your loss. I think you must feel lonely now that you are alone.”
英語では「お一人になられて寂しい」という部分が、相手の気持ちを勝手に決めつけているように聞こえてしまい、丁寧さが足りないと思われることがあります。
文化の違い
英語圏では、感情やプライバシーに対して慎重な言い方が求められます。
例えば、「寂しいですよね」と直接言うよりも、「あなたのことを思っています」といった表現のほうが優しく聞こえます。
- 日本語: 相手の感情を共有しようとして「寂しいですね」と言う。
- 英語: 感情を直接言わず、間接的に共感を示す。
→”My thoughts are with you during this difficult time.”
(この困難な時期に、私の思いはあなたと共にあります。)
翻訳がぎこちなくなる
日本語をそのまま英語にしようとすると、英語の「自然な言い方」にならないことが多いです。
英語では、その場面ごとに合った決まり文句があるので、それを知らないとぎこちなく聞こえてしまいます。
不自然な英語を避けるためのコツ
たくさん英語を読んで聞く
英語の本や映画、ドラマを通して、「こういう時にこんな表現を使うんだ!」という感覚を身につけましょう。
特に、ネイティブが話している場面を観察すると役立ちます。
これはちょっとやったぐらいでは身につかないので、ドップリ浸かる必要があります。
日本語→英語の流れをやめる
「日本語で考えてから英語にする」のをやめて、英語のフレーズを丸ごと覚えましょう。
そして、それを場面に応じて使い回す練習をします。
例:
日本語で「寂しいでしょう」を考えるのではなく、
英語の “My heart goes out to you.”(お悔やみ申し上げます)といったフレーズをそのまま覚えて使う。
音読やシャドーイングでリズムを覚える
英語の音声を聞いて、それを真似して声に出す練習をしましょう。
こうすることで、英語特有の言い回しが身についてきます。
英語圏の文化を知る
英語の表現は文化とつながっています。
英語圏のマナーや価値観を知ることで、より適切な表現がわかるようになります。
⭐️英語で書く練習をする
英語で「書くこと」は、話す練習と同じくらい重要です。
ただ、これは条件があります。
英語を書くことで英語をアウトプットすることに慣れることができますが、それだと結局日本語で考えて英語にしていては効果が出ない、ということになってしまいます。
ですから、これは必ず正しいやり方を学びながら行ってください。
ライティングを学ぶときに注意して欲しい記事はこちらです。
まとめ
日本語で考えた英語が不自然になるのは、言語の構造や文化の違いが原因です。
この問題を解決するには、大量のインプットが必要になりますが、それを地道に行うことで
自然で英語らしい文章を言ったり書けたりするようになります。
英語で考え、話したり書く楽しさをぜひ体験してみてください。