YL4.0 Who Moved My Cheese?

Who Moved My Cheese?

題名: Who Moved My Cheese?
著者 : Spencer Johnson
出版社: Vermilion
YL: 4.0
語数: 13,000

あらすじ

世界的ベストセラーとなったビジネス寓話です。

物語の舞台は、迷路の中です。

そこには、2匹のネズミ Sniff と Scurry、そして小さな人間 Hem と Haw が住んでいます。

4人は迷路の中を探し回り、人生に必要なものを象徴する「チーズ」を探しています。

ある日、4人は大量のチーズを見つけ、そこで幸せに暮らし始めます。

しかしある朝、チーズが突然なくなってしまいます。

SniffとScurryは、チーズがなくなったことを受け入れ、すぐに新しいチーズを探しに迷路へ向かいます。

一方、HemとHawは「誰がチーズを動かしたんだ」と怒り、チーズが戻ってくることを期待して、その場にとどまります。

やがてHawは、このまま待っていても何も変わらないと気づき、恐怖を感じながらも迷路へ出ていきます。

そして、新しいチーズを探す中で、変化を恐れるのではなく、変化に気づき、受け入れ、行動することの大切さを学んでいきます。

日本語版はこちら↓

日本語との違い

「Who Moved My Cheese?」

を実際に読んでみて、とても素晴らしい本だと思いました。

特に大人の方には、ぜひ読んでほしい本です。

日本語のタイトルは、

『チーズはどこへ消えた?』

となっています。

これを見たとき、

「うまい翻訳だなあ!」

と思うと同時に、

「日本語って、とにかく責任逃れをする言語だな😅」

と思ってしまいました(笑)

英語の Who Moved My Cheese? は、

「誰が私のチーズを動かしたの?」

と、しっかり行為者を追及するタイトルです。

ところが日本語になると、

「チーズはどこへ消えた?」

……誰が動かしたのかは、すっぽり消えている🤣

しかも、

「誰のチーズなのか」

ということも消えて、

「どこのチーズかもよく分からない、ただのチーズ」になっています(笑)

「誰がやったの?」

ではなく、

「どうしてこうなったんでしょうね?」

という感じ。

「誰が?」
「誰の?」

という情報が、きれいに消えている🤣

もちろん、日本語のタイトルとしてはものすごく上手い。

でも、この「行為者を消して、起きたことだけを述べる」感じ、いかにも日本語らしいなあと思ってしまいます。

そして、ここが英語学習では結構重要だと思っています。

この「責任を取らない論理」のまま英語を使ってしまうと、どんなに単語をたくさん知っていても、なかなか英語が通じない。

英語では、

誰が?
何を?
どうした?

というように、行為者や対象をかなり明確にする必要があります。

つまり、言語を使えるようになるというのは、単語や文法を覚えるだけではなく、

その言葉が持っている「ものの捉え方」や「論理」まで学ぶことなんだな、と感じます。

翻訳のタイトルを眺めて、そんなことを考えてしまいました😅

hem and haw とは

登場人物にHemとHawという人間が出てきますが、

このHem and Haw は、実は英語の hem and haw という慣用表現から取られた名前です。

hem and haw は、

to hesitate, especially because you don’t know what to say or don’t want to make a decision

つまり、「ためらう」「ぐずぐずする」「ああでもない、こうでもないと言って決断を先延ばしにする」という意味です。

『Who Moved My Cheese?』では、この名前がかなり巧妙なんですよね。

  • Hem → 変化を嫌がり、文句を言い続ける
  • Haw → 最初は変化を恐れてためらうが、最終的には考えを変えて行動する

つまり、Haw は hem and haw の「haw」から来ています。

そして面白いのが、hem と haw はもともと、話しているときに言葉に詰まったり、ためらったりするときに出る音・表現なんです。

たとえば、

“Well… um… er…”

みたいな感じ。

そこから hem and haw = ぐずぐず言って決められない という表現になっています。

なので、登場人物の名前を Hem と Haw にした時点で、

「この2人、変化を前にしてグズグズする人たちですよ」

という性格が、英語話者にはちょっと伝わるわけです😂

ちなみに、これは日本語版の『チーズはどこへ消えた?』だけ読んでいると、かなり失われてしまう面白さです。

名前そのものに性格設定が埋め込まれているんですよね。
こういうところも洋書を原書で読む面白さだと思います。

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