アメリカ三大児童書賞とは？

(The Big Three Children’s Book Awards in the U.S.)

児童書賞３つ

子どもにとって本は、世界を広げる大切な入り口です。

アメリカでは、児童文学の質を高め、優れた作品を広く紹介するために、数多くの文学賞が設けられています。

その中でも特に有名で「三大児童書賞」と呼ばれるのが、

ニューベリー賞（Newbery Medal）
コールデコット賞（Caldecott Medal）
そして プリンツ賞（Michael L. Printz Award） です。

これら三つの賞は、それぞれ評価対象が異なり、児童文学の多様な側面を支えています。

ニューベリー賞は「文章」
コールデコット賞は「絵」
プリンツ賞は「ティーン向け文学」を重視し、

子どもから若者まで幅広い読者層をカバーしています。

1922年に創設された、アメリカで最も歴史ある児童文学賞です。

前年に出版された児童書の中で、最も優れた文学作品に与えられます。

物語の「文章の質」が評価対象となるため、小説や読み物が中心です。

受賞作は学校や図書館で広く紹介され、多くの場合、長く読み継がれる名作となります。

American Library Association – Newbery Medal

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1938年に始まった賞で、対象は絵本のイラストレーションです。

前年にアメリカで出版された絵本の中から、最も優れた絵を描いたイラストレーターに贈られます。
「かいじゅうたちのいるところ（Where the Wild Things Are）」や

「スノーウィーデイ（The Snowy Day）」など、

日本でも翻訳されて人気のある作品が受賞しています。

絵の力で物語を語る絵本ならではの魅力を評価する賞です。

American Library Association – Caldecott Medal

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2000年に創設された比較的新しい賞です。

対象はヤングアダルト文学（YA、小・中・高校生向けの作品）で、ジャンルを問わず文学的に優れた作品に贈られます。
『Looking for Alaska』（ジョン・グリーン）や

『Ship Breaker』（パオロ・バチガルピ）などが代表的な受賞作です。

ティーン世代の複雑な心情や現代社会の課題を描いた作品も多く、大人が読んでも深い味わいがあります。

American Library Association – Michael L. Printz Award

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ニューベリー賞が「文章」、コールデコット賞が「絵」、プリンツ賞が「YA文学」というように、それぞれ役割を分担することで、児童文学の多様性を支えています。

これらの賞は、子どもから大人まで幅広い読者に「質の高い本」と出会うきっかけを与えてくれる存在です。
日本でも翻訳版が数多く出版されており、図書館や英語教育の現場で取り上げられることも少なくありません。

項目	ニューベリー賞 (Newbery)	コールデコット賞 (Caldecott)	プリンツ賞 (Printz)
創設年	1922年	1938年	2000年
授与団体	ALSC（米国図書館協会児童図書館サービス部門）	ALSC（同上）	YALSA（米国図書館協会青少年サービス部門）
対象	児童文学（文章）	絵本のイラストレーション	ヤングアダルト文学（12〜18歳）
受賞者	著者	イラストレーター	著者
受賞作品数	毎年1作＋Honor Books	毎年1作＋Honor Books	毎年1作＋Honor Books
評価基準	文学的に最も優れた児童書	最も優れた絵本のイラスト	文学的に最も優れたYA作品
代表的な受賞作	『A Wrinkle in Time』, 『Holes』, 『The Giver』	『Where the Wild Things Are』, 『The Snowy Day』, 『Tuesday』	『Looking for Alaska』, 『Ship Breaker』, 『Everything Sad Is Untrue』